陽だまり日記

陽だまり日記

大好きな本や映画のことなど

DNA検査の考え方(自分のルーツについて) 続き

DNA検査で、たとえば、「95%日本人、5%○○人」という結果が出た場合、どう解釈すればいいかについて、良い解説動画を見つけました。 www.youtube.com まず、今のDNAテストは、ヒトのDNAのうち、個人差が現れる1%の、その中のさらに1%の配列を使って、「あ…

DNA検査の考え方(自分のルーツについて)

仮にDNA検査をして、ほぼほぼ日本人、数%は○○人という結果が出た場合、どう考えたらよいのでしょう? 「数代前に○○人がいた」と考えるのが自然です。でもそうではない可能性を考えるとすれば、 「たまたま○○人と共通のDNA配列を持っているだけで、数代前に○…

作物禁忌

千葉県ホームページに掲載されていたこちらの資料によれば、作物禁忌は、外来植物を土地の神が嫌うと言って忌む風習なのだそう。 そう言われてみると、代表的な禁忌作物であるゴマ(胡麻)やキュウリ(胡瓜)は異民族を表す「胡」の字が付いています。 そし…

縄文人アップデート

近年のDNAの研究で、従来、東南アジアまたは北東アジア起源と考えられていた縄文人が、どちらにも属さない、独自の集団であることが分かったそうです。 www.brh.co.jp 日本の言語や文化は、南方由来と北方由来が混ざり合っていると昔からいわれています。 以…

流れる水の音

織姫が水辺にいるのは、水の流れる音と機織りの音が似ているからという説があり、なるほどと納得しながらも、そんなに似てるものかな?と疑問に思っていました。私はそもそも機織りを見たことがなかったので、一応動画を見ましたが、よく分かりませんでした…

聖なる植物

前回の続きです。 シュクラが目をケガしたのは、日本語のお話(出典不明)では「わら」となっていますが、スカンダ・プラーナでは「Darbha grass」=ギョウギシバとなっています。 en.wikipedia.org When he obstructed the flow of water at the time of th…

インドの「片目をつぶした僧」のお話

「片目をつぶした僧」というインドのお話を見つけました。 ある天文同好会のホームページから。 www.saninjyoho.com お話はこちら。大変興味深いので引用させていただきます。(問題があればご連絡ください) インドの古代神話では、金星は男の神シュクラで…

インドの「隻眼の聖者」のお話

国会図書館デジタルコレクション「インド・ペルシャ神話と伝説」(S10、馬場吉信 等編)、「シヴァ物語」の中に、「隻眼の聖者」(p. 366~370)というお話がありました。 dl.ndl.go.jp ある猟師が、山頂で神像に出会って深く信心するようになった。ところが…

物言う牛

予言獣「件」(くだん)に関する続報です。 私は何でこんなに件が好きなんでしょう(笑) 最近のマイブーム『捜神記』をパラパラ見ていたら、「204 牛がものを言えば」が目に留まりました。 捜神記 (東洋文庫0010) 作者:干宝 平凡社 Amazon 中国の晋という国…

片目伝説(10)ヒトツモノ

先日書いた片目伝説(9)の、柳田国男さんに関する、下の部分の続きです。 柳田氏は、片目の神=大昔の生け贄という、ちょっとびっくりするような仮説を提唱しています。時代が下りその意味が忘れられて零落した姿が、妖怪・一つ目小僧だというのです。 この…

「今昔物語集」拾い読み

「今昔物語集」(現代語訳)を拾い読みしていて、本朝部と震旦部に似た話があるのを見つけました。 ・本朝部(日本の説話) 巻第十四 第十三 入道覚念、法華を持して前世を知る語 ・震旦部(中国の説話) 巻第七 第二十 沙弥、法華経を読むに二字を忘れ、つ…

外国の植物禁忌例

海外の植物禁忌にはどんなのがあるのか。インターネットで幾つか見つけました。 ネパール・インド――竹 ・ネパールのMidhills、Kerabari、Teraiでは、竹を植えると土地が痩せる、植えた人が不妊になる、竹林にはお化けや霊が住む、蛇や象を呼び寄せるなどとい…

片目伝説(9)ここまでのまとめ

私の郷里には、"昔、神様がある植物で目を突いたのでそれを植えない"という伝説があります。 こんな伝説は日本各地にあることを、日本民俗学の祖・柳田国男氏が、著書「日本の伝説」等で指摘しています。 www.aozora.gr.jp ドイツの日本学者ネリー・ナウマン…

「女人蛇体」

「女人蛇体」という本を少し読んでみました。 女人蛇体―偏愛の江戸怪談史 (角川叢書) 作者:堤 邦彦 角川学芸出版 Amazon 文章が難し過ぎて全部読める気がしない……。ので、拾い読み。 同書によれば、蛇女が出てくる民話・説話は、古い順に、3つに大別されるそ…

アマビコ、猿神、孫悟空

先日、「件(くだん)」に関して、日本で古くから語られてきた化牛説話が、時代の変化で人々の信仰を徐々に失った結果、なぜ人が牛になるのかという因果関係が顧みられなくなり忘れられていった。しかし半人半牛の姿はインパクトがあって記憶されていたので…

昔話「脂とり」のこと

「あぶらとり」について、5年くらい前にここに書きましたが、肝心の昔話「脂とり」の情報が抜けていたのでもう一度まとめます。 この昔話は日本全国各地で伝承されてきたそうで、検索すると幾つか出てきます。「まんが日本昔ばなし」にもなったようですね。 …

インドの牛の説話

「今昔物語集 天竺部」巻第一 第三十四に、「長者の家の牛、仏を供養する語」があります。 今昔物語集 7 天竺部 (東洋文庫 368) 平凡社 Amazon 内容はこちらから読めます。 hon-yak.net 要約すると、強欲な主人に仕える雌牛が、主人の仏に対する酷い態度を見…

中国の化牛説話

中国の化牛説話も見てみたくて、「今昔物語集 震旦部」を探しました。 すると、1つありました。 巻第九 第三十九「震旦の卞士瑜の父、工賃を支払わず、牛となる語」です。 今昔物語集10 (東洋文庫) 平凡社 Amazon タイトルどおり、家を建てさせた大工さんに…

「俗化する宗教表象と明治時代 ~『牛人間』のはなし~」

「俗化する宗教表象と明治時代」の、「『牛人間』のはなし──仏教説話のなかの畜身変成譚と『件』伝承」という部分を読みました。 「日本霊異記」で読んだ、人が牛に変わってしまう仏教説話と、予言獣「件(くだん)」が関係しているのか知りたくて。 俗化す…

「日本霊異記」の亀の放生と浦島伝説

「日本霊異記」(現代語訳)上巻第七「亀を買って助け放し、現世で報いを得て亀に助けられた話」について。 要約すると、 禅師放済という人が仏像を造るため備後国三谷郡から都に上り材料を買った帰り、難波の津で亀が売られていたのを買って放してやります…

「日本霊異記」の牛女

「日本霊異記」(現代語訳)の下巻第二十六に、強欲のため、死んで7日後に上半身が牛となって生き返った人の話がありました。讃岐国美貴郡の、田中真人広虫女(たなかのまひとひろむしめ)という名前の女性です。 百科事典に載っている有名人のようです(↓)…

不殺生の謎

日本の昔話「猿婿」「蛇婿」で、人間の娘を妻に迎えようとした猿や蛇が最後に殺されてしまうのは、仏教的な世界観が流入して、もともとは神様的存在だった動物が、畜生と見なされるようになったからだと説明されますが、 でも、仏教の不殺生はどこ行っちゃっ…

「阿波の狸の話」

「阿波の狸の話」を読んでいたら、しっぽの釣りの話が何回か出てきて驚きました。 阿波の狸の話 (中公文庫) 作者:笠井新也 中央公論新社 Amazon しっぽの釣りは、寒い冬にきつねが川にしっぽを入れて釣りをしようとして、しっぽが凍り付いてしまうというよう…

「輪廻転生」

「輪廻転生」という本に、とても印象的な箇所がありました。 輪廻転生 〈私〉をつなぐ生まれ変わりの物語 (講談社現代新書) 作者:竹倉史人 発売日: 2015/09/25 メディア: Kindle版 生まれ変わりについて、多くの民族が持つ最も古い考え方は、亡くなった人が…

舌切り雀のこと(3)

昔話「舌切り雀」は、宇治拾遺物語に採録されている「腰折れ雀」をルーツに持つのではないかとよくいわれるようですが、それ以外に、雀=若い女性説や、雀=桃太郎的英雄説があることを1つ前の記事で書きました。 後の2つについて考えてみると、いずれもお話…

舌切り雀のこと(2)

「舌切り雀」を久しぶりにラジオ「昔話へのご招待」(2020.8.16)で聞いて、何だか不思議なお話だなぁと思いました。率直に言えば、何となく辻褄が合っていないような気がして。ちょっとしたこと(?)で一緒に暮らしていた雀の舌を切るとか、探しに出たお爺…

舌切り雀のこと(1)

先週のラジオ「昔話へのご招待」では、「舌切り雀」が紹介されました。久々に聞いてみると、何だか不思議な話のように思いました。 お婆さんが、(理由があったとはいえ)雀の舌をいきなり切ってしまうのはちょっとビックリだし、雀の居所を探すのに、お爺さ…

桃太郎のこと

ラジオ「昔話へのご招待」で、かなり前に「桃太郎」が取りあげられたことがあります。桃太郎の解釈の歴史や、外国の昔話との比較など、とても面白くて、特に印象に残っています。 この中で、柳田国男さんの「桃太郎の誕生」についても触れられていました。そ…

妖怪の効能

今年2020年はアマビエという妖怪が話題ですが、「くだん(件)」という妖怪も、かつてアマビエとよく似た厄除けの効能で有名になったと知り驚きました(Wikipedia)。似たような妖怪が複数いるのはなぜなのでしょう? 「件」は、厄除けばかりでなく、災害を…

「蘇我氏 古代豪族の興亡」

「蘇我氏 古代豪族の興亡」という本をときどき読み返しています。 蘇我氏 ― 古代豪族の興亡 (中公新書) 作者:倉本 一宏 発売日: 2015/12/18 メディア: 新書 蘇我氏は、歴史を習い始めて最初に出てきた"悪役"なので、とても印象深いです。 他の歴史上人物では…