陽だまり日記

陽だまり日記

大好きな本や映画のことなど

昔話

インドの「片目をつぶした僧」のお話

「片目をつぶした僧」というインドのお話を見つけました。 ある天文同好会のホームページから。 www.saninjyoho.com お話はこちら。大変興味深いので引用させていただきます。(問題があればご連絡ください) インドの古代神話では、金星は男の神シュクラで…

昔話「脂とり」のこと

「あぶらとり」について、5年くらい前にここに書きましたが、肝心の昔話「脂とり」の情報が抜けていたのでもう一度まとめます。 この昔話は日本全国各地で伝承されてきたそうで、検索すると幾つか出てきます。「まんが日本昔ばなし」にもなったようですね。 …

「日本霊異記」の亀の放生と浦島伝説

「日本霊異記」(現代語訳)上巻第七「亀を買って助け放し、現世で報いを得て亀に助けられた話」について。 要約すると、 禅師放済という人が仏像を造るため備後国三谷郡から都に上り材料を買った帰り、難波の津で亀が売られていたのを買って放してやります…

不殺生の謎

日本の昔話「猿婿」「蛇婿」で、人間の娘を妻に迎えようとした猿や蛇が最後に殺されてしまうのは、仏教的な世界観が流入して、もともとは神様的存在だった動物が、畜生と見なされるようになったからだと説明されますが、 でも、仏教の不殺生はどこ行っちゃっ…

舌切り雀のこと(3)

昔話「舌切り雀」は、宇治拾遺物語に採録されている「腰折れ雀」をルーツに持つのではないかとよくいわれるようですが、それ以外に、雀=若い女性説や、雀=桃太郎的英雄説があることを1つ前の記事で書きました。 後の2つについて考えてみると、いずれもお話…

舌切り雀のこと(2)

「舌切り雀」を久しぶりにラジオ「昔話へのご招待」(2020.8.16)で聞いて、何だか不思議なお話だなぁと思いました。率直に言えば、何となく辻褄が合っていないような気がして。ちょっとしたこと(?)で一緒に暮らしていた雀の舌を切るとか、探しに出たお爺…

舌切り雀のこと(1)

先週のラジオ「昔話へのご招待」では、「舌切り雀」が紹介されました。久々に聞いてみると、何だか不思議な話のように思いました。 お婆さんが、(理由があったとはいえ)雀の舌をいきなり切ってしまうのはちょっとビックリだし、雀の居所を探すのに、お爺さ…

桃太郎のこと

ラジオ「昔話へのご招待」で、かなり前に「桃太郎」が取りあげられたことがあります。桃太郎の解釈の歴史や、外国の昔話との比較など、とても面白くて、特に印象に残っています。 この中で、柳田国男さんの「桃太郎の誕生」についても触れられていました。そ…

妖怪の効能

今年2020年はアマビエという妖怪が話題ですが、「くだん(件)」という妖怪も、かつてアマビエとよく似た厄除けの効能で有名になったと知り驚きました(Wikipedia)。似たような妖怪が複数いるのはなぜなのでしょう? 「件」は、厄除けばかりでなく、災害を…

今年の思い出

昨年の終わりに、大好きなラジオ「昔話へのご招待」の聞き手だった、中村律子さんが番組を卒業されました。どういうわけか自分でも不思議なほど、本当に名残惜しく残念に思いましたが、最近になって、やっと気持ちの整理(?)ができてきたようです。中村さ…

馬のお婿さん

ラジオ「昔話へのご招待」『中国の昔話 4』の「馬の頭をした娘」を聞きなおしていて、なんだか日本の「猿婿」や「蛇婿」と似ているなぁ…と、思いました。 どこが似ているかというと… 人間「〇〇してくれたら、娘と結婚させる(お嫁さんになる)」と、動物に…

言語の距離

大好きなラジオ「昔話へのご招待」の今週のゲストは斎藤惇夫さんだそうです。 斎藤惇夫さんの「ガンバとカワウソの冒険」は子供時代に繰り返し読んだ思い出深い一冊です! ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫) 作者: 斎藤惇夫,薮内正幸 出版社/メーカー: …

片目の伝説(4)

*このブログの関連記事 先日、地元の図書館で、ふと民話の本を手にとって開くと、片目の魚のお話が載っていました。 片目の魚の伝説とは… ある池・沼などに住む魚がおかしなことに皆片目だといい、それにまつわるさまざまな因縁が語られます。たとえば、片…

かさじぞう

小澤俊夫さんの「昔話へのご招待」の、年末最後の回で、「かさじぞう」を久し振りに聴きました。 聞き手の中村律子さんも仰っていましたが、良いお話だなぁ…と、しみじみしてしまいました。 お正月くらいお米を食べたいと思って、家に残っていた資材で、菅笠…

JG フレーザー「旧約聖書のフォークロア」

旧約聖書に書かれているいろいろなエピソードについて、世界中から類話や類例を集めて起源を考察している、と思います。 過越の起源が知りたくて、図書館で借りて、でも情報量に圧倒されて、まだ少ししか読めていないんです。 目次だけでお腹いっぱい…!!で…

油を絞るのは罪?

冥界で罪人が脂を絞られていたけれども、お坊さんが法華経を唱えると、脂絞りの責め苦を許してもらえたというお話が、7世紀の中国の説話にあります。 その背景には、法華経の「油を圧(お)す殃(つみ)」(漢訳)という一節が、絡んでいるようなのですが… …

あぶらとり(3)

インターネットを検索していて見つけた文献(http://dx.doi.org/10.7592/FEJF2016.64.khan)に、インド北部のウッタル・プラデーシュ州から集められたという、面白いお話の要約版が掲載されていました。内容は、大体こんな感じみたいです↓。 ある商人の息子…

あぶらとり(2)

中国で7世紀頃成立したとされる「冥報記」に、ある人が、死後、冥界で脂を絞られるけれど、残された家族がお坊さんを呼んで、お坊さんがお経を唱えるとその責め苦が止んだというお話があり(「北齊梁伝」)、日本の「今昔物語集」にも和訳が掲載されています…

あぶらとり(1)

ラジオ「昔話へのご招待」で、私にとって忘れられないお話のひとつに「あぶらとり」があります。 ちょっとこわい、その内容もさることながら、「外国からきたお話かもしれない」という小澤先生のコメントが、印象的でした。私も聞いていて、他の昔話と少し雰…

「昔話の考古学 山姥と縄文の女神」

昔話の考古学―山姥と縄文の女神 (中公新書)作者: 吉田敦彦出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1992/04メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見るラジオ「昔話へのご招待」で、以前、インドネシアのハイヌウェレ神話と、日本の昔話「や…

「若い女はベッドの下に強盗がいるのを見つけたとき、どのように身を守ったか」

学生の頃に、友達の友達の先輩の話だけど…みたいな感じで、 <一人暮らしの女性の部屋のベッドの下に斧を持った男が隠れていた>という話をきいたことがあります。 初めて聞いた時は怖い!!と思いました。 その後TVで都市伝説と分かって二度ビックリしました…

ハイヌウェレ2

ハイヌウェレや、山姥の錦などのお話をきいていたら、鶴の恩返しを思い出しました。それから、もしかして農耕が始まった頃には、豊作を願うために女性を捧げることがあって、 それはあんまりなので、代わりに土偶を作るようになったのかな…なんて、つい、想…

ハイヌウェレ

ラジオ「昔話へのご招待」で大分前に放送された、「インドネシアの昔話」シリーズ5回目、6回目の「ハイヌウェレ」のお話をきいて、 なんとなく、女性は赤ちゃんを産むので、そこから、女性の体から食物や陶器が出てくるという連想になったのかな?という気が…

女の子がヒキガエルの皮をかぶるお話

母が読んでくれた本は、タイトルを覚えていませんが、昔話集のような感じで、沢山お話が入っていました。 いちばん印象深かったのは、女の子が山道をひとりで歩くので、ヒキガエルの皮をかぶって老婆に変身するというお話です。どうして変身しないといけない…

昔話の伝承(個人的な覚書)

昔話の伝承について、個人的な記憶の覚書です… といっても、今思えば、私が子供の頃には、もうほとんど廃れていたという、ちょっと悲しい思い出です。私の郷里は、過疎化がすすんで学校が次々に廃校になっている、かなりのへき地にあります。 それでも、祖父…

形式意志

ラジオ「昔話へのご招待」でお馴染みのエピソードの1つに、「もみの木と形式意志」があります。 最近では、先々週の放送でその話が出てきました。小澤先生によれば、もみの木も、人間も、「自分はこうなりたい」という「形」があるそうです。私はもう、「変…

ヒットの理由?

某RPGゲームが発売30周年だそうです。 今日は、大ヒットしていた当時の映像がTVで繰り返し流れていました。ところで… ラジオ「昔話へのご招待」をきいていると、昔話の "文法" と、昔のファミコン・ゲームには、共通点があることに驚かされます。昔話の "文…

蛭子(ヒルコ)のこと

先週のラジオ「昔話へのご招待」では、南米インカの創世神話が紹介されていました。 このなかに出てきた、骨のない太陽の息子のお話はとても印象深いものでした。少しだけ引用します。 世界の始まりの時、北の方から "コン" という名の人間がやって来た。彼…

小判と死体を結ぶもの

昔話で、大晦日に預かった亡骸が、次の日になって大判小判に変わるというエピソードがあります(「大歳の火」など)。 亡骸が、なぜお金に変わるのか、その理由を、ラジオ「昔話へのご招待」では "古い信仰" によるものと説明していました。聴くたびに、不思…

コルディリェーラインディアン

ラジオ「昔話へのご招待」で、先月、3週にわたってコルディリェーラインディアンの昔話が紹介されました。 面白いお話が多くて印象に残っています。娘さんがイェルバの木になる話は、不思議な説得力を感じました。 白イタチのお話は、子供の頃大好きだった「…