陽だまり日記

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陽だまり日記

大好きな本や映画のことなど

「菩提樹」(1956、西ドイツ)と「続・菩提樹」(1958、同)

菩提樹 [DVD]

菩提樹 [DVD]

続・菩提樹 [DVD]

続・菩提樹 [DVD]

第二次世界大戦中に欧州から米国に亡命した家族合唱団、トラップ一家の物語は、名作ミュージカル映画サウンド・オブ・ミュージック」(1965、米、The Sound of Music)として有名です。

ところが、「サウンド・オブ・ミュージック」よりも早い時期に、同じ原作をもとに制作されて成功を収めた映画がありました。それが「菩提樹」(1956、西独、Die Trapp-Familie)及び「続・菩提樹」(1958、同、Die Trapp-Familie in Amerika)です。日本では2008年にようやくDVD化され、その後何度かTVでも放映されました。

初めて見た時は感激しました。大好きな「サウンド・オブ・ミュージック」が色あせて見えるほどでした。

1950年代の映画なのに、カラーです。その鮮やかさにまず驚かされました。
サウンド・オブ・ミュージック」同様、暗い時代の物語であるにもかかわらず、作品全体が、明るくポジティブな雰囲気に包まれています。ストーリーの大筋もよく似ています。
でも、細かいエピソードの一つ一つは「菩提樹」の方がずっとリアルで、登場人物のキャラクターも繊細に表現されていると思いました。それが、作品の明るさとよいコントラストになっていて、難しい状況の中でも自分を見失わないよう努力しながら、手探りで前に進もうとする人々の姿が、より生き生きと伝わってくるように感じました。中でも、「サウンド・オブ・ミュージック」の"すべての山に登れ"と対応する台詞は、とても心に残るものでした。

全く異なっているのは、ラストです。「サウンド・オブ・ミュージック」は国境を越えるところで終わってしまいますが、「菩提樹」はアメリカに辿り着き、厳しい審査をクリアして入国するところまでが描かれています。「続・菩提樹」は後日談で、合唱団としての成功を収めるまでの苦労話です。

菩提樹」&「続・菩提樹」においても、歌が、ストーリー上の重要な位置を占めています。ヨーロッパの民謡、古典、聖歌などが主です。どれも素朴な味わいがあって、しみじみと聞き入ってしまいました。