陽だまり日記

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大好きな本や映画のことなど

「神神の微笑」

芥川竜之介「神神の微笑」(青空文庫)
身近な自然の至る所に神様が住んでいるという、日本人の宗教観が分かりやすく書かれています。
ただ、ここに書ききれていないと思うのは、自分の身に危険が迫って切羽詰まった時の拠り所です。苦しいときの神頼みと言いますが…、日常的に祖先を敬い、最終的な局面では神仏に一心に祈るというのが、一般的な姿なのでしょうか。
より具体的に言語化された指針は、作られてこなかったのでしょうか?たとえば、司馬遼太郎は徴兵されて「歎異抄」を読んだそうです。また、芥川竜之介自身は、亡くなる前にキリスト教を相当研究していたようです。ひょっとして、日本人の宗教は、その部分の論理が不足していることが、(少なくともこの100年くらいはずっと)新興宗教のつけ込む隙になっていて、それが今の日本人の宗教アレルギーの原因になっているのでしょうか?