陽だまり日記

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大好きな本や映画のことなど

「スプートニクの恋人」

スプートニクの恋人 (講談社文庫)

スプートニクの恋人 (講談社文庫)

村上春樹氏の「スプートニクの恋人」をはじめて読みました。
主な登場人物は、次の3人です。

  • 主人公…僕(小学校の教師)
  • 消えてしまう女の子…すみれ(作家志望)
  • 年上の女性…ミュウ(元ピアニスト)

ノルウェイの森」の登場人物3人(下記)と、と似た関係性だと思いました。

  • 主人公…僕(大学生)
  • 消えてしまう女の子…直子(大学生)
  • 年上の女性…レイコさん(元ピアニスト)

ストーリーの行方も、似ています。でも、「スプートニクの恋人」のほうが、もっと開き直っていて明るい雰囲気でした。それにしても、同じようなストーリーを何度も書いている作家さんなのですね。研究者にとっては、研究のしがいがありそうです。
本作でも、すみれが消えてしまう場面がありますが、「ノルウェイの森」の直子と違って、ストーリー上違和感がありませんでした。(ここで決着がついたかと思いきや、「色彩を持たない…」でまた似たような女の子シロが登場します。まだ書ききれていなかったのでしょうか。いったい、彼女はどういう女の子なのでしょう。)

すみれの消失は、以前のままの彼女がいなくなってしまったのを、僕の側から主観的に表現しているようにも感じました。
ラストで、生徒の母親&ミュウとの関係を断ったあと、すみれが帰ってくるのは、「ノルウェイの森」で、直子のお葬式をしたあと、レイコさんと一夜を過ごすのと丁度逆になっています。なんとなく非現実的で、宗教的に感じました。でも、作品全体のハイテンションな雰囲気と合っていると思いました。