陽だまり日記

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陽だまり日記

大好きな本や映画のことなど

「アナと雪の女王」追記・字幕版

映画

先日吹替え版を見ましたが、字幕版でもう一度観てみたら、大分雰囲気が違いました。不思議なことに、字幕のほうがキャラクターの台詞が自然で、歌も楽しく、話が全体的にまとまっていて、古典的な童話と、現代のエッセンスがよく調和しているように感じました。

この映画はとても話題になったので、主題歌→吹替え版→字幕版の順番で見てしまいましたが…、全く未見で字幕版を最初に見ていたら、もっと良かった…と、少し後悔しています。

とくに、字幕版は、エルサの苦しみがより具体的に表現されていたところが良かったです。
例えば、吹替え版では『魔法の力を抑える』という表現でほとんど統一されていたかと思いますが、英語版は『良い子でいる(Be the good girl)』・『感じない(don't feel)』など、多彩な言い方をしています。
また、吹替え版の「ありのままで」で、『自分信じて』と歌っている部分は、本来『完璧な女の子はもういない(That perfect girl is gone)』という歌詞でした。
似ているようでも、表現がちょっと違うと、かなりニュアンスが違って聞こえます。これだけハッキリ言われれば、「アナ雪」は家族の絆がテーマになっていて、雪や氷は登場人物の心象風景の投影にもなっていることが、よく分かりました。

考えてみれば、エルサとアナのように、真面目で不器用な姉(兄)と、奔放で行動力のある妹(弟)の関係性がテーマになった小説や漫画は、日本でも昔から沢山あります。たとえば、萩尾望都さんの「イグアナの娘」(姉妹)、城山三郎さんの「素直な戦士たち」(兄弟)、タイトルは忘れてしまいましたが山岸涼子さんも、兄妹の出てくる短編を描いていたと思います。
今回の「アナ雪」も、姉妹や同胞の存在について、いろいろなことを考えさせられる作品でした。
もっとも感慨深かったのは、姉;長子(エルサ)という存在は、家族や同胞に対して、ある種の影響力(魔法の力)を持っていることに気付かせてくれた点です。こうした影響力は、従来、どちらかというとその影の部分に焦点をあてて、悲劇的に描かれることが多かったと思います。
でも「アナ雪」は、魔法の力がもつ光と影を両方描いて、ハッピーエンドにしたところが、目新しく爽快で、人々の心を掴んだのかな…と、思いました。