陽だまり日記

陽だまり日記

大好きな本や映画のことなど

池上さんが解説する仏教の本

私が、特別無知なのかもしれませんが…、考えてみると、仏教とのかかわりは不思議です。
家に仏壇があって、お葬式など法事にはお坊さんに来てもらうのに、その教えの内容はほとんど知りません。家族でも、仏教を話題にしたことは少なかったような気がします。肝心のお経が外国語(インドの言葉)で、全く意味がわからないのも、よく考えてみると、謎です。

この本を読んではじめて、ブッダがとても論理的な人で、人生の困難に対応するための心理学や、哲学を体系的にまとめたのが仏教だということを知り、興味をもちました。
池上さんとチベットのお坊さんとの対談のなかで、結婚しなければ、家族のことを心配する必要がなく立場がシンプルになるという考え方が紹介されていたのは、新鮮でした。知らず知らずのうちに固定観念に囚われ、多くを求めすぎていたのかもしれません。
もうひとつ、現世での行いが、来世に影響するという輪廻の思想を、改めて目にして、少し気持ちが楽になりました。誰でも失敗を経験しているのだから、自分の失敗を特別酷いものと思わず、改善できるように努力していこうと、前向きな気持ちになれました。また、この思想には、自分の問題が他人にも影響するような、呪術的?な考え方を排して、自他の区別をより明確にする意味もあるように思いました。