陽だまり日記

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大好きな本や映画のことなど

刑事ヴァランダー

刑事ヴァランダー・シリーズは、スウェーデンのミステリー作家、ヘニング・マンケル氏の代表作で、11作品中9作品が邦訳されています。シリーズものですが、事件は1作ずつ完結していて、どこからでも読めます。

邦訳版の最新作は「霜の降りる前に」です。読んだ当時、威圧的な男性への対処に少々悩んでいたので、作中でリンダ(娘)が短気なヴァランダー(父)を、恐れながらもやり過ごす場面がとても印象に残っています。

霜の降りる前に〈上〉 (創元推理文庫)

霜の降りる前に〈上〉 (創元推理文庫)

 
霜の降りる前に〈下〉 (創元推理文庫)

霜の降りる前に〈下〉 (創元推理文庫)

 

本作の訳者あとがきで、作者が亡くなったことを知り、大変残念に思いました。

 

ミステリー小説は、若い頃よく読んでいたのですが、年とともに、なんとなく疎遠になっていました。でも、あるとき偶然ヴァランダー・シリーズを読んで、時間を忘れてミステリーを読む楽しみを思い出すことができました。それは多分、主人公のクルト・ヴァランダー(凄腕刑事)のキャラクターが個性的なのと、スウェーデンの社会問題を背景に描いたストーリーが読み応えがあって面白いからかな…と思います。訳文が読みやすいのも魅力です!

ヴァランダー・シリーズはBBCでドラマ化されていて、日本でもWOWOWで放映されています。昨日、初めてドラマ版(第4シリーズ「白い雌ライオン」)を見ましたが、ドラマ版のヴァランダーは、原作よりも随分寡黙になっていて、何だかカッコ良すぎてちょっと物足りなかったです。原作にかなりボリュームがあるので(716ページ)、事件に関係ない部分を削ったのかもしれませんが…。

白い雌ライオン (創元推理文庫)

白い雌ライオン (創元推理文庫)

 

「白い雌ライオン」は、物語の舞台も、スウェーデン(原作)⇒南アフリカ(ドラマ版)と、大きく変更されていました。南アフリカの景観や雰囲気がじっくり描かれていたのは良かったけれど、クルトを振り回すイースタ署の面々や家族が出てこないのは、原作のファンとしては少々残念でした。