陽だまり日記

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陽だまり日記

大好きな本や映画のことなど

「風が吹くとき」のこと

映画

レイモンド・ブリッグズの「風が吹くとき」は、私が子供の頃、「はだしのゲン」「ひろしまのピカ」などとともに、とても有名な作品でした。

風が吹くとき

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風が吹くとき デジタルリマスター版 [DVD]

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 もともとは漫画形式の絵本で、後に映画化されました。

 

戦時下でも、こうの史代さんの「この世界の片隅に」や成瀬巳喜男監督の「愉しき哉人生」のように、何とか工夫して日常を送ろうとする人々の頑張りは、感動的ですし、教えられるところが沢山あります。

でも、もしも致死量の "死の灰" が降ってしまったら…? そんな中でも日常を継続しようとした老夫婦の運命を描いた作品が、「風が吹くとき」です。最初に読んだのは小学校高学年か、中学生くらいだったかと思いますが…、感動的どころか、ただ愚かに見えて、悲しくて、残虐な場面はないし絵柄はとても可愛らしいのに、本当に怖い作品だと思いました。

私は映画は未見ですが、映画館に見に行った人に聞いてみたら、映画の本編が終わってエンドロールが終わっても、誰も席を立てなかったそうです。

 

子供の頃は、老夫婦が逃げる選択肢を持てないことがただ恐ろしかったけれど、今は彼らの年齢に随分近付いたし、私も原発事故のときに放射線放射能の違いが分からなくて、逃げる必要があったかどうかは分からないけれど、どちらを選ぶべきか考えることもできなかったので、もう彼らを愚かだなんて思えないし、そんな運命もあるかな…という気持ちもあります。