馬のお婿さん
ラジオ「昔話へのご招待」『中国の昔話 4』の「馬の頭をした娘」を聞きなおしていて、なんだか日本の「猿婿」や「蛇婿」と似ているなぁ…と、思いました。
どこが似ているかというと…
人間「〇〇してくれたら、娘と結婚させる(お嫁さんになる)」と、動物に提案
↓
動物が〇〇してくれて、婿になろうとする
↓
人間に殺される
という、動物にとって非常に理不尽な展開です。
なぜこんなことになってしまったかというと…
日本の「猿婿」などについては、ラジオの小澤先生の解説によれば、日本人の信仰が時代と共に変わってきたことを示しているそうです。
つまり、大昔の日本人にとって動物は神様だったので(物語上)結婚OKだったけれども、その後仏教伝来で畜生になってしまったので結婚NGになってしまった、という変化が、上記の理不尽な展開に反映されているらしいのです。
中国にも日本と同じような展開の昔話があるということは、中国でも日本同様、信仰の変化があったと考えてよいのでしょうか?
そうだとすれば、前から少し疑問に思っているのですが、仏教の不殺生はどこにいってしまったのでしょう。仏教の本場・インドにも、日本や中国のように動物のお婿さんを理不尽に殺してしまう昔話があるのでしょうか?
考えてみれば神様に対して「〇〇してくれたら娘を嫁に」なんていう取り引きを持ち掛けるのはいかがなものか…という気もしました。でも蛇が殺されることなく最後まで神様として出てくる古事記の「蛇婿」にはこの部分はなかったと思うので、取り引きは退治の前振りとして付け加えられたのかな?とも思いました。
なんだか、いろいろなことが気になってしまいました。