陽だまり日記

陽だまり日記

大好きな本や映画のことなど

「日本の民俗宗教」

松尾恒一さんの「日本の民俗宗教」を読みました。 日本の民俗宗教 (ちくま新書) 作者:松尾 恒一 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/11/06 メディア: 新書 難しかったけど、今まで知らなかったことが分かって面白かったです。 例えば、旧正月と立春の違…

お雑煮のこと

関西風の、白味噌(西京味噌)のお雑煮を最近初めて食べました。 甘いのでびっくりしました。 味噌味と言っても、塩分が少なくて、普段の味噌汁とは全然違います。 もはやスイーツに近いような感じがするくらい。 それでふと疑問に思ったのは、西京味噌は今…

「白夜を旅する人々」のこと

三浦哲郎さんの小説「白夜を旅する人々」を数年前に読んだことを思い出しました。 白夜を旅する人々 (新潮文庫) 作者: 三浦哲郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1989/04/28 メディア: 文庫 クリック: 4回 この商品を含むブログ (8件) を見る アルビノの姉…

「関西弁講義」

関西弁講義という本を読みました。作者さんは関西弁を方言というより1つの独立した言語として研究しているそうです。 関西弁講義 (講談社学術文庫) 作者: 山下好孝 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/07/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) …

「ざぼん」「謝文旦」について

1つ前の記事に書きましたが、朱欒(ざぼん)と文旦は1つの同じ果物Citrus maximaを指します。 朱欒は中国語、ざぼんはポルトガル語(zamboa)。 文旦も中国語ですが、wikipediaによれば、中国の中でも南部の潮州語が伝わったもののようです。発音はブンタン…

「朱欒」「ざぼん」について

2つ前の記事で、江戸時代に書かれた「阿波志」・「阿波誌」の、柑橘類に関する記事を引用しました。 ざぼん 郷名ケムス又の名サブム、橙に似て大 香櫞 即ち仏手柑 宜母子 郷名スダチ、柚に似て小、以て酢に代るべし 橙 郷名ダイダイ 橘 郷名カウジ やや小な…

「カブス」「カブチ」について

1つ前の記事で、江戸時代に書かれた「阿波志」・「阿波誌」の、柑橘類に関する記事を引用しました。 ざぼん 郷名ケムス又の名サブム、橙に似て大 香櫞 即ち仏手柑 宜母子 郷名スダチ、柚に似て小、以て酢に代るべし 橙 郷名ダイダイ 橘 郷名カウジ やや小な…

「すだち」(酢橘)のルーツ

もうすぐサンマの時期です。サンマといえばスダチ。その遺伝的なルーツについての覚え書きです。 1.スダチは「カボス」の異母きょうだい。共通の父親(花粉親)がユズ。 ここまではっきり分かっていたとは! 2.カボスの母親は「クネンボ」。一方、スダチの…

「君が戦争を欲しないならば」

高畑勲さんの「君が戦争を欲しないならば」を読みました。講演の書き起こしで、とても短くすぐに読めます。 君が戦争を欲しないならば (岩波ブックレット) 作者: 高畑勲 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2015/12/04 メディア: 単行本(ソフトカバー) こ…

片目の神様のこと(8)

片目の神様の伝説に付随する作物禁忌について、「それを作らない」という地域の近くには、それをたくさん作る地域があるのかも……?と、ふと思い付きました。 仮に、P村に氏神Q様がいた。そこに新しくRという有力者が移ってきて、P村にもともとなかった植物S…

片目の神様のこと(7)

数えてみたらこのブログで片目の神様のことに触れるのは7回目でした。 柳田国男さんの「日本の伝説」に収録されている片目の蛇の話は、何だか「金枝篇」みたい?と思ったので、片目・一つ目のことを考察している別の本の該当箇所を見てみました。 山の神 作…

「日本の伝説」(片目伝説6)

柳田国男さんの「日本の伝説」は青空文庫で読めます。良い時代になりました。 この中に片目の神様について記述された箇所があります。 久々に読み返して、とても気になる部分を見つけました。取りあえず、忘れないように引用しておこうと思います。 飛騨(ひ…

「セッション」(2014、アメリカ)

「セッション(原題:Whiplash)」を観ました。無茶苦茶過ぎて、すごく面白かった! セッション(字幕版) 発売日: 2015/10/21 メディア: Prime Video この商品を含むブログ (1件) を見る 有名な映画らしいのですが、内容をよく知らずに寝る前に見始めてしま…

「アマテラスの誕生」

「アマテラスの誕生」という本を読みました。これはショックでした。 アマテラスの誕生 (講談社学術文庫) 作者: 筑紫申真 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2002/05/10 メディア: 文庫 クリック: 19回 この商品を含むブログ (9件) を見る 作者は代々神主さん…

人生を彩る糸!

私も編み物が好きです。全然上手じゃないし編むスピードも遅いし大したものは作れないのですが、それでも冬になると、今年はどんな帽子を編もうかな?とワクワクします。なぜ帽子かといえば、マフラーや手袋、靴下よりも早くできるから。 何を編もうか考えた…

今年の思い出

昨年の終わりに、大好きなラジオ「昔話へのご招待」の聞き手だった、中村律子さんが番組を卒業されました。どういうわけか自分でも不思議なほど、本当に名残惜しく残念に思いましたが、最近になって、やっと気持ちの整理(?)ができてきたようです。中村さ…

ハロウィンのこと

ハロウィンが近いので、「ケルト 再生の思想」を少しずつ読んでいます。 ケルト 再生の思想――ハロウィンからの生命循環: ハロウィンからの生命循環 (ちくま新書) 作者: 鶴岡真弓 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2017/10/05 メディア: 新書 この商品を含…

「日本語の源流を求めて」

大野晋さんの「日本語の源流を求めて」を読みました。 日本語が、インド南部のタミル語と関係があるという説です。 専門家の間でも賛否両論とのことで、私も、正直、最初は、インドなんてずいぶん遠いなあと思いました。 でも、読んでみたらとても面白かった…

「灼熱の魂」(2010、カナダ)

久々に映画を見ました。やらなければいけないことがあるのに、それをやらずについ最後まで見てしまいました。 双子が生まれてすぐ付けられた名前が分かるところが、とても印象に残っています。 灼熱の魂 [DVD] 出版社/メーカー: アルバトロス 発売日: 2012/0…

癒し

眺めているだけで楽しくて、久しぶりに本を衝動買いしてしまいました。 作ってみたら、とても癒されました…! 10号レース針で40番レース糸etc...にビーズを編み込んでいきます。 こういう小さな物たちの、色の組み合わせを考えていると時間を忘れてしまいま…

「きみはいい子」「世界の果てのこどもたち」

中脇初枝さんの「きみはいい子」と「世界の果てのこどもたち」を読みました。 ([な]9-1) きみはいい子 (ポプラ文庫) 作者: 中脇初枝 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2014/04/04 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 世界の果てのこどもたち 作者:…

海街diary

大好きな作品です。 中でも、ヒマラヤの鶴のエピソード(4巻)が良かったです。 海街diary 8 恋と巡礼 (フラワーコミックス) 作者: 吉田秋生 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2017/04/10 メディア: コミック この商品を含むブログ (16件) を見る この作品は…

「君の名は。」

映画「君の名は。」をやっと観ました。 「君の名は。」Blu-rayスタンダード・エディション 出版社/メーカー: 東宝 発売日: 2017/07/26 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (5件) を見る 若者に大ヒットと聞いて、ついていけるかな…と少し不安でしたが、…

迷宮

小中学生時代をチェコで過ごした米原万里さんは、著書「パンツの面目 ふんどしの沽券」の中で、日本女性の羞恥心は複雑に入り組んでいて、まるで "迷宮" のようだと表現しています。 パンツの面目ふんどしの沽券 (ちくま文庫) 作者: 米原万里 出版社/メーカ…

馬のお婿さん

ラジオ「昔話へのご招待」『中国の昔話 4』の「馬の頭をした娘」を聞きなおしていて、なんだか日本の「猿婿」や「蛇婿」と似ているなぁ…と、思いました。 どこが似ているかというと… 人間「〇〇してくれたら、娘と結婚させる(お嫁さんになる)」と、動物に…

千羽鶴の今昔

祖母は折り紙が好きで、元気な頃はくす玉をたくさん折って家じゅうに飾っていました。 何となくそんなことを思い返していて、ふと、折り紙のくす玉の起源って…?と、疑問に思いました。でも、折り紙のくす玉は七夕飾りにすることが多いらしい…ということ以外…

言語の距離

大好きなラジオ「昔話へのご招待」の今週のゲストは斎藤惇夫さんだそうです。 斎藤惇夫さんの「ガンバとカワウソの冒険」は子供時代に繰り返し読んだ思い出深い一冊です! ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫) 作者: 斎藤惇夫,薮内正幸 出版社/メーカー: …

「君はだぁれ?」

「君はだぁれ?」を読みました。イタリアの作家さんの小説です。図書館で偶然見つけて、表紙の絵が可愛らしかったので、思わず手に取りました。 君はだぁれ? 作者: パオラ・マストローコラ,フランコ・マッティキオ,川西麻理 出版社/メーカー: シーライトパブ…

ルーム(2015、カナダ/アイルランド)

映画「ルーム」を観ました。 ルーム [DVD] 出版社/メーカー: Happinet 発売日: 2016/09/16 メディア: DVD この商品を含むブログ (2件) を見る 父親が実の娘を地下室に監禁していたという、とんでもない実話にもとづいているというので、映画もシビアなストー…

「神、人を喰う - 人身御供の民俗学」

博士論文の書籍化なので、はじめは難しいかな?と思ったけれど、 人身御供や人柱の、研究の歴史が素人にも分かりやすく説明されていて、なんとか最後まで読めました。 神、人を喰う―人身御供の民俗学 作者: 六車由実 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2003/0…