陽だまり日記

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大好きな本や映画のことなど

「桜の枝」

桜の枝―ソ連の鏡に映った日本人

桜の枝―ソ連の鏡に映った日本人

外国の方が日本のことを書いた本は、ルース・ベネディクト氏の「菊と刀」が有名です。彼女はアメリカの文化人類学者で、対日戦を有利に進めるための情報収集の一環として日本文化を研究していた関係で、何と一度も日本を訪れることなく、「菊と刀」を書いたそうです。

一方、この「桜の枝」を書いたフセヴォロド・オフチンニコフ氏は、旧ソ連共産党の機関紙プラウダの東京特派員でした。本作は1970年代に旧ソ連で出版され、700万部のベストセラーになったそうです。日本では既に、絶版になってしまっているのがとても残念です。
オフチンニコフ氏は本書のなかで、自然の美を称えることが、日本人にとっての宗教だと指摘しています。(一部の)外国の方には、お花もお茶もそう映るようです。特にお茶の仰々しさは、宗教とでも考えなければ彼らにとっては全く説明のつかないもののようです。

そういえば(?)、以前、ヨーロッパの方に、風鈴は何のためのものか尋ねられて、音を聞いて涼しさを感じるものですと答えたら、冗談だと思われて笑われたことがありました。まさかの反応に、結構ビックリしました。思っているよりも、文化の違いは大きいものですね。