「若い女はベッドの下に強盗がいるのを見つけたとき、どのように身を守ったか」
学生の頃に、友達の友達の先輩の話だけど…みたいな感じで、
<一人暮らしの女性の部屋のベッドの下に斧を持った男が隠れていた>という話をきいたことがあります。
初めて聞いた時は怖い!!と思いました。
その後TVで都市伝説と分かって二度ビックリしましたが、妙にリアルな感じがして、全くの嘘とは思えませんでした。
ところが、ラジオ「昔話へのご招待」で紹介されていた話型カタログ
- 作者: ハンス=イェルク・ウター,小澤俊夫,加藤耕義
- 出版社/メーカー: 小澤昔ばなし研究所
- 発売日: 2016/08/01
- メディア: 単行本
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と集約される内容の昔話が、ヨーロッパ、中東、インド、アメリカ(スペイン系)、アフリカに分布しているそうです。
上の都市伝説?は、実は、何百年も前から知られていた、昔話の一種だったのかもしれません…。
元来伝播力があるので、日本で<一人暮らしの若い女性>&<部屋にベッドがある>という状況が一般化したのと同時に、広く流行したのかも…と、思います。
ところで、このカタログ(通称ATUカタログ)は、数年前、同ラジオの「夢の蜂」の回で聞いて以来、是非、自分の目で見てみたいと思っていました♪
普段の生活では気づきにくいことですが、昔話は、国や民族に関係なく世界じゅうに分布しているものが多く、「羽衣」「猿蟹合戦」のように、日本オリジナルと思えるような昔話でも、実は、世界中に類話があるのだそうです。
本書ではそんな類話を一つずつまとめて、番号をつけて、世界のどこに分布しているか記載しています。
たとえば、因幡の白兎がワニの背中を渡る話は、話型58としてまとめられていて、類話がアジア、アフリカ、チリ、アメリカ(アフリカ系)に分布しています。
地理的な広さも、時間的な奥行きも、縮めてしまう昔話って、本当に凄いなぁと思いました…。