陽だまり日記

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大好きな本や映画のことなど

「アマテラスの誕生」

 「アマテラスの誕生」という本を読みました。これはショックでした。

アマテラスの誕生 (講談社学術文庫)

アマテラスの誕生 (講談社学術文庫)

 

作者は代々神主さんの家に生まれ、初め神主だったけれども、戦後高校の先生に転職されたのだとか。

その(元)神主さんによれば、日本人が信仰している自然神は、古くは海の向こうから来る神様。そして、少し新しく、天から降りてくる神様。そういう大きな神様が山、木、水、石、鏡など身の回りのものに宿っているので、それを祀っているのだそうです。

私の曾祖母は家の裏山に石を祀ってお参りしていたと聞いたことがあります。山に石?自分で??と思っていましたが、上のようにはっきり説明されると、何となく、ナルホド……と納得されます。

確か映画にもなったかと思いますが、山から木を運ぶお祭りも、天から来た神様をそうして運んでいたのですね。

日本の自然宗教は何にでも神様がいるんだとただ漠然と思っていて、肝心なことをなんにも知らないでいたんだなあ……と、ショックでした。

 

それから、伊勢の天の神様は田植えの時期にサルタヒコと呼ばれるそうです。(サルタヒコも、アマテラスも、同じ天の神様なのだそうです。)

ということは、昔話の「猿婿」って、その猿だったのでしょうか。ラジオ「昔話へのご招待」で聞くたび、猿がどうして田の神なのか不思議だったので、これにも驚きました。

 

もう一つ、日の神様が蓑と笠を身に着けるというのにもびっくり。笠が日を表象しているという説明でしたが、分かったような分からないような。今の感覚では何だか庶民的な格好のような気もします。

でも、こちらの本を思い出しました。

神無き月十番目の夜 (小学館文庫)

神無き月十番目の夜 (小学館文庫)

 

村人が大事な集会に出るときに蓑と笠を身に着ける場面があったような…。でも、ずっと前に読んだので記憶違いかもしれません。

実話を基にした小説なので細部は作者の想像かと思っていましたが、細部まで何かに基づいて書かれていたのかも……。