陽だまり日記

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大好きな本や映画のことなど

「白夜を旅する人々」のこと

三浦哲郎さんの小説「白夜を旅する人々」を数年前に読んだことを思い出しました。

白夜を旅する人々 (新潮文庫)

白夜を旅する人々 (新潮文庫)

 

アルビノの姉妹が髪の毛を黒く染める場面がとても印象に残っています。

白いままでは共同体の中に入ることができないから……、読んでいて何ともいえない気持ちになりました。

描かれているのは昭和初期の日本ですが、考えてみれば、今でも、高校などで、地毛証明とか、茶色い髪の毛は黒染めをさせるとか、似たようなことが続いていると思います。違うものは同化させる文化(といっていいのか分かりませんが)が根付いているような気がします。

多様性の尊重ということを知識として教わっても、「郷に入れば郷に従え」みたいな昔からの考え方はまだまだ残っていて、結局ダブルスタンダードのようになってしまっているのかも…と、改めて気付かされました。