陽だまり日記

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大好きな本や映画のことなど

物言う牛

予言獣「件」(くだん)に関する続報です。

私は何でこんなに件が好きなんでしょう(笑)

最近のマイブーム『捜神記』をパラパラ見ていたら、「204 牛がものを言えば」が目に留まりました。

 

中国の晋という国で4世紀初め、車をひいていた牛が急にしゃべり出し、天下の戦乱を予言したというのです。

エピソードの最後、『京房易伝』から、「牛がものを言えば、その言葉の内容通りに吉凶を占うことができる」と引用されていました。

 

『京房易伝』は、紀元前1世紀、前漢時代の京房という人による易書のようです。

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予言獣としての牛は少なくとも4世紀にはいた。ひょっとしたら紀元前からいたかもしれない。ということかと思います。

 

『捜神記』には、これ以外にもさまざまな戦乱の予兆に関するお話がありました。例えば二本足の虎(184)とか、屋根の上の鯉(186)とか、他にもたくさんありましたが、その根底には、普段と違う出来事は災いと結び付くという考え方があるようです。

 

災いを予測するのは難しいけれども、どうにかして身を守りたいという、切実さが感じられます。

日々空襲にさらされていた時代、件の噂話が流布したのも何だか頷けます……