陽だまり日記

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大好きな本や映画のことなど

インドの「片目をつぶした僧」のお話

「片目をつぶした僧」というインドのお話を見つけました。

ある天文同好会のホームページから。

www.saninjyoho.com

お話はこちら。大変興味深いので引用させていただきます。(問題があればご連絡ください)

インドの古代神話では、金星は男の神シュクラで、その光と色から、「十六の光を持つ神」、また「白い神」とも呼ばれていました。
シュクラは僧侶でもあり、善王バリの師でした。インドの神々は徳行の高い人間をきらったので、ある時、ヴィシュヌが小びとの姿でバリの前に現われ、施し物を乞いました。
シュクラは、それが王の身を亡ぼすたくらみであることを知り、何も施さないようにかたく戒めましたが、王はシュクラの言葉を聞かずに、僧たちに経文を読ませ、水を注いで、施しをさせようとしました。
そこでシュクラは、身を変じて器の中に隠れ、呪文をとなえて水が流れでないようにしました。
しかし、ヴィシュヌは早くもその事を知って、器の中にひとすじの「わら」を投げ込みました。
投げ込まれた「わら」は、シュクラの目にあたり、痛さのあまり器からとび出したので、水は流れだし、ヴィシュヌは施し物を手に入れて、地から天まで三足で飛び上がり、シュクラは片目となってしまいました。
この、ヴィシュヌの三段飛びは、太陽の出と、南中と、入りを表わすものとされ、また三つ星をこの時の足跡とも伝えています。

驚いたことに、植物が神様の目に当たって片目になるお話です。

日本以外にもあったんですね。

 

原典を探したところ、「スカンダ・プラーナ」のPart 3 (Purvardha), Chapter 6, Verses 51b-53 に載っているらしいことが分かりました。

en.wikipedia.org

kotobank.jp

 

このお話は、ヴィシュヌの化身ヴァーマナの神話として広く知られているようです。

ja.wikipedia.org

上記から引用します。「アスラグル・スクラチャリヤ」というのが、上のお話のシュクラのこと。

ヴァーマナはバラモンの乞食少年を装って3歩歩いた分だけの土地を要求し、バリは師のアスラグル・スクラチャリヤの警告にもかかわらず、それを認めた。ヴァーマナは巨大化し、1歩目で大地を跨ぎ、2歩目で天を踏み、地底世界(パーターラ)はバリのために残しておいた。しかしバリは約束が履行されない事を望まなかった。そのためヴァーマナは3歩目でマハーバリの頭を踏み付けて地底世界へ押し付けることで同意した。バリは不死身にされ、今も地底世界に棲むと言われる。

 

ここにはシュクラが目をケガするくだりがありません。

つまり、シュクラが目をケガするバージョンは、有名なヴァーマナ伝説の、異説という感じなんでしょうか?