陽だまり日記

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大好きな本や映画のことなど

「関西弁講義」

関西弁講義という本を読みました。作者さんは関西弁を方言というより1つの独立した言語として研究しているそうです。

関西弁講義 (講談社学術文庫)

関西弁講義 (講談社学術文庫)

 

関西弁は母音が強くて、ヨーロッパの言語でいうと、イタリア語やスペイン語に響きが似ている。それに対して関東、東北、九州などの言葉は子音が強くてドイツ語や北欧語に響きが似ているというのが面白かったです!

私は東にも西にも住んだ経験がありますが、耳のほうはやや西に調律(?)されているらしく、子音の強い言葉を正確に聞き取ろうとすると難しいこともあって。母語に対する勘が働きづらくなるので、確かに外国語みたいに感じることもあります。

それで、日本の真ん中に母音の強い言語があって、端に子音の強い言語があるということは、日本語の古い言葉はどんなものだったんだろう?古いものは外側に残るというけれど…なんて思ったりしていたのですが、本書ではそれについても少し触れられていました。

アクセントに周圏論(古いものが外側に残る理論)を適用していいかどうかという問題はあるけど、子音優位な言葉がより古く、母音優位な言葉がより新しい可能性があると考える学者さんもいるみたいです。馬瀬良雄さんという方で「シンポジウム日本語5 日本語の方言」(1975年)という本に詳しい内容が収録されているとのこと。地元の図書館にあればチャレンジするのですが、残念ながら所蔵がないみたい。

でも、となると、日本語の起源説で、南から来た開音節の発音や語彙に、北から来た文法が導入されたというストーリーはどうなるのでしょう?

それから、大野晋さんのタミル語説は、日本語が開音節でタミル語が閉音節なのでそれも否定の理由になったと記憶していますが、それは一体?? 実は「日本語の源流を求めて」を読んでからずっと気になっています。

それとも、開音節があったところに、閉音節と文法が来て、さらに後に母音優位言語がやって来たとか?

謎は増えるばかりで全く収拾がつきません。