陽だまり日記

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大好きな本や映画のことなど

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「狂人日記」、「阿Q正伝」

阿Q正伝・狂人日記 他十二篇(吶喊) (岩波文庫)作者: 魯迅,竹内好出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1981/02メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 56回この商品を含むブログ (56件) を見る魯迅「狂人日記」(青空文庫) 魯迅「阿Q正伝」(青空文庫) 魯迅「「吶…

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/04/12メディア: ハードカバー クリック: 3,074回この商品を含むブログ (338件) を見る村上春樹氏の作品は、何だか巧妙なだまし絵のようです。魅力的な表のス…

「季節のない街」

季節のない街 (新潮文庫)作者: 山本周五郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1970/03/18メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 22回この商品を含むブログ (30件) を見る山本周五郎氏の「季節のない街」は、映画「どですかでん」の原作だったことが読むきっかけで…

「季節のない街」と「どですかでん」

季節のない街 (新潮文庫)作者: 山本周五郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1970/03/18メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 22回この商品を含むブログ (30件) を見る山本周五郎氏の「季節のない街」は、黒澤明監督の映画「どですかでん」の原作としてよく知ら…

「どですかでん」(1970、日本)

どですかでん [東宝DVDシネマファンクラブ]出版社/メーカー: 東宝発売日: 2013/08/02メディア: DVDこの商品を含むブログ (4件) を見る映画「バグダッド・カフェ」(1987、西ドイツ)を見て、黒澤明監督の「どですかでん」(1970、日本)を思い出しました。 …

ティツィアーノ・スカルパ「スターバト・マーテル」

スターバト・マーテル作者: ティツィアーノスカルパ,中山エツコ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/09/14メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (3件) を見る「スターバト・マーテル」はラテン語で、母は立っていた、という意味だそう…

「バグダッド・カフェ」(1987、西ドイツ)

バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版 Blu-ray出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2010/06/26メディア: Blu-ray購入: 6人 クリック: 52回この商品を含むブログ (23件) を見るパーシー・アドロン監督の「バグダッド・カフェ」は、どの1シ…

「夜長姫と耳男」

坂口安吾「夜長姫と耳男」(青空文庫)「桜の森の〜」の美しく恐ろしい女房は『鬼』でしたが、こちらの夜長姫は、残酷な神のように感じました。彼女の無邪気な残酷さは、アイヌの昔話「風の神とオキクルミ」に登場する風の神ピカタカムイに似ています。この…

かぐや姫の『罪』について

映画「かぐや姫の物語」(2013、日本)を見て、原作「竹取物語」では、かぐや姫の『罪』をどう書いているのか興味をもちました。 ところが、どうやら、詳しくは書かれていないようです。月の使者の口上を引用します。 「かぐや姫は、罪をつくり給へりければ…

「桜の森の満開の下」

坂口安吾「桜の森の満開の下」(青空文庫)この小説の何に惹きつけられたのか、自分でもよく分かりません。 桜を美しいと言うのは最近のことで、大昔の人は桜を恐れていたと、最初の方で述べられていましたが、何か関係があるような気がします。 怖いものが…

「野ばら」

小川未明「野ばら」(青空文庫)教科書に載っていたお話のなかで、なぜか一番思い出深いのが「野ばら」です。 『いたって…ありました。』という文が印象的でした。 今読みなおすと、とても懐かしいです。

「今夜はトーク・ハード」(1990、アメリカ)

今夜はトーク・ハード [VHS]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント発売日: 1995/05/21メディア: VHS購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見るBed of Roses & Pump Up the Volume [DVD] [Import]アーティスト: New Line…

「信濃桜の話」

柳田国男「信濃桜の話」(青空文庫)しだれ桜のルーツは信州にあり、そのため信濃桜と呼ばれ、昔の人が、枝の垂れた形の木に霊性を感じて信仰と結びついたことで全国に広く分布したのではないか…という仮説が述べられています。 著者がどうしてこんなことを…

星の昔話のこと

「昔話へのご招待」は、毎週楽しみに聴いているラジオです♪ (前にもこのブログに書きました。)podcastでも聴くことができるので、とても便利です。2月27日放送分『インドネシアの昔話3(「7人の仲間が星になった話」)』をきいて、思い出したことがあり…

堀辰雄「芥川竜之介論」

堀辰雄「芥川竜之介論」(青空文庫)青空文庫で、作品の解説を伴った作家論を見つけました。大変情熱的で、心打たれるものでした。この中で紹介されていた代表作をこれから読んでいこうと思います。

「琴のそら音」

夏目漱石「琴のそら音」(青空文庫)友人と話しているうちに、インフルエンザに罹った婚約者の病状が急に不安になり、そのためにいろいろな身の回りの出来事が何となく不吉に思えて眠れない一夜を過ごす…という話です。 明治の学士さんの雰囲気や当時の生活…

「歯車」

芥川龍之介「歯車」(青空文庫)作中に「河童」を執筆する場面があります。「河童」は大変な苦しみのなかで生まれた小説だったようです。 「歯車」の主人公は暗合に取りつかれています。このような状況に陥らないためには、早めの休養と、心からゆっくりでき…

「河童」

芥川龍之介「河童」(青空文庫)ふと思い出して再読しました。 「ガリヴァー旅行記」のような風刺小説ということですが、私には、"風刺"という言葉がもつ対象との距離感があまり感じられませんでした。それよりも、作者にとっての現実がそのまま描かれている…

「Who do you think you are?」

有名人のルーツ探しをするドキュメンタリー番組が、ここ数年、世界的に流行しているようです。 元祖はイギリスBBCで、そのタイトルが「Who do you think you are?」です。アメリカ、オーストラリア、カナダなどでは同タイトルで自国版が作られています。邦…

「バナナフィッシュにうってつけの日」再・再考

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)作者: サリンジャー,野崎孝出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1974/12/24メディア: 文庫購入: 14人 クリック: 112回この商品を含むブログ (254件) を見るJ.D.サリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」は、舞台装置…