陽だまり日記

陽だまり日記

大好きな本や映画のことなど

2021-01-01から1年間の記事一覧

外国の植物禁忌例

海外の植物禁忌にはどんなのがあるのか。インターネットで幾つか見つけました。 ネパール・インド――竹 ・ネパールのMidhills、Kerabari、Teraiでは、竹を植えると土地が痩せる、植えた人が不妊になる、竹林にはお化けや霊が住む、蛇や象を呼び寄せるなどとい…

片目伝説(9)ここまでのまとめ

私の郷里には、"昔、神様がある植物で目を突いたのでそれを植えない"という伝説があります。 こんな伝説は日本各地にあることを、日本民俗学の祖・柳田国男氏が、著書「日本の伝説」等で指摘しています。 www.aozora.gr.jp ドイツの日本学者ネリー・ナウマン…

「女人蛇体」

「女人蛇体」という本を少し読んでみました。 女人蛇体―偏愛の江戸怪談史 (角川叢書) 作者:堤 邦彦 角川学芸出版 Amazon 文章が難し過ぎて全部読める気がしない……。ので、拾い読み。 同書によれば、蛇女が出てくる民話・説話は、古い順に、3つに大別されるそ…

アマビコ、猿神、孫悟空

先日、「件(くだん)」に関して、日本で古くから語られてきた化牛説話が、時代の変化で人々の信仰を徐々に失った結果、なぜ人が牛になるのかという因果関係が顧みられなくなり忘れられていった。しかし半人半牛の姿はインパクトがあって記憶されていたので…

昔話「脂とり」のこと

「あぶらとり」について、5年くらい前にここに書きましたが、肝心の昔話「脂とり」の情報が抜けていたのでもう一度まとめます。 この昔話は日本全国各地で伝承されてきたそうで、検索すると幾つか出てきます。「まんが日本昔ばなし」にもなったようですね。 …

インドの牛の説話

「今昔物語集 天竺部」巻第一 第三十四に、「長者の家の牛、仏を供養する語」があります。 今昔物語集 7 天竺部 (東洋文庫 368) 平凡社 Amazon 内容はこちらから読めます。 hon-yak.net 要約すると、強欲な主人に仕える雌牛が、主人の仏に対する酷い態度を見…

中国の化牛説話

中国の化牛説話も見てみたくて、「今昔物語集 震旦部」を探しました。 すると、1つありました。 巻第九 第三十九「震旦の卞士瑜の父、工賃を支払わず、牛となる語」です。 今昔物語集10 (東洋文庫) 平凡社 Amazon タイトルどおり、家を建てさせた大工さんに…

「俗化する宗教表象と明治時代 ~『牛人間』のはなし~」

「俗化する宗教表象と明治時代」の、「『牛人間』のはなし──仏教説話のなかの畜身変成譚と『件』伝承」という部分を読みました。 「日本霊異記」で読んだ、人が牛に変わってしまう仏教説話と、予言獣「件(くだん)」が関係しているのか知りたくて。 俗化す…

「日本霊異記」の亀の放生と浦島伝説

「日本霊異記」(現代語訳)上巻第七「亀を買って助け放し、現世で報いを得て亀に助けられた話」について。 要約すると、 禅師放済という人が仏像を造るため備後国三谷郡から都に上り材料を買った帰り、難波の津で亀が売られていたのを買って放してやります…

「日本霊異記」の牛女

「日本霊異記」(現代語訳)の下巻第二十六に、強欲のため、死んで7日後に上半身が牛となって生き返った人の話がありました。讃岐国美貴郡の、田中真人広虫女(たなかのまひとひろむしめ)という名前の女性です。 百科事典に載っている有名人のようです(↓)…

不殺生の謎

日本の昔話「猿婿」「蛇婿」で、人間の娘を妻に迎えようとした猿や蛇が最後に殺されてしまうのは、仏教的な世界観が流入して、もともとは神様的存在だった動物が、畜生と見なされるようになったからだと説明されますが、 でも、仏教の不殺生はどこ行っちゃっ…

「阿波の狸の話」

「阿波の狸の話」を読んでいたら、しっぽの釣りの話が何回か出てきて驚きました。 阿波の狸の話 (中公文庫) 作者:笠井新也 中央公論新社 Amazon しっぽの釣りは、寒い冬にきつねが川にしっぽを入れて釣りをしようとして、しっぽが凍り付いてしまうというよう…