「女人蛇体」
「女人蛇体」という本を少し読んでみました。
文章が難し過ぎて全部読める気がしない……。ので、拾い読み。
同書によれば、蛇女が出てくる民話・説話は、古い順に、3つに大別されるそう。
1~3は互いに無関係ではなく、時代を経て1→2→3と変わってきたということみたい。
古代には、水の精霊の化身、神様としての龍蛇がいて、時に女の姿で人間と交わった。
→ 奈良時代に聖武天皇が仏教を国教として、法華経の中にある龍女成仏譚が広く知られるようになった。
→ 高僧が愛欲・嫉妬の業に苦しむ龍女・蛇女を済度する説話が生まれた(道成寺ものの初出は平安時代の「法華験記」)。
→ 愛欲・嫉妬の業をもつ蛇女のイメージが確立し、数多くの説話、民話、怪異小説、戯作、歌舞伎、浄瑠璃などの題材に取りあげられるようになった(~近世)。
「古代アニミズムの神話体系を原郷とする水の精霊の民談」は、古事記の豊玉姫(海神の娘で実はワニ)みたいな感じなのかな。
豊玉姫同様、龍女・蛇女も、古代には尊い存在だったのが、仏教的世界観の流入により、動物は畜生となり、女性の地位が下がった結果、愛欲・嫉妬に燃えるおどろおどろしい蛇女になったと考えていいのかしら。
ただ、妻が妾に嫉妬して蛇になるという説話が結構あるみたいなんだけど、そんなの当たり前では? それで嫉妬深いといわれてもねえ。。。(困惑)
どうしてこの本を読んだかというと、予言獣「神社姫」って何なのかなと思って。
頭の部分が清姫に似てる気がしたんだけど……
当時の人によれば、「探幽が戯画百鬼夜行の内ぬれ女の図を写し、神社姫と号して流布せしを~」ということで、神社姫の元ネタは「ぬれ女」だったようです。
ぬれ女も、清姫同様、おどろおどろしいほうの蛇女。
でも神社姫は、姿はぬれ女や清姫に似ていたとしても、「龍宮の使い」と名乗っているところをみると、上記の1、古代の尊いほうの龍女だったんじゃないかな。