陽だまり日記

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大好きな本や映画のことなど

小澤 の検索結果:

昔話「脂とり」のこと

…私はポッドキャスト「小澤俊夫 昔話へのご招待」(2010年8月20日放送回)で聞いたのが最初です。出典は福音館書店「日本の昔話 2」。そちらを参照すると、同書に採録・再話されたものは、もともと山形県東根市に伝わっていたお話ということでした。 したきりすずめ (日本の昔話 2) 作者:小沢 俊夫 株式会社 福音館書店 Amazon 人が吊されて下から火で炙られ、脂をとられているという恐ろしい場面がなかなかのインパクトで、昔話にもこんな香港かどこかのホラー映画みたいなのがあるのか…

舌切り雀のこと(2)

…類話はいろいろ紹介されていて、桃太郎のバリエーションの中に、猿蟹合戦の後半によく似たものがあるというのは聞いたことがあります。それから、猿蟹合戦の類話として挙げられたグリム童話の「コルベスさん」については、どういうわけでコルベスさんがひどい目にあうのかお話の中で語られないので、グリム自身も大変興味を持っていたようだという小澤先生の解説が印象的でした。私も聞いていて不思議だなぁと思っていたのですが、こんな難しい謎を説明するような研究もあるのですね。ちょっと感動してしまいました。

桃太郎のこと

…いました。その部分の小澤先生の解説を引用します。 柳田先生、こういうふうに言ってらっしゃるんですね。 桃太郎のあの桃は、川上から流れてきたと。で、日本の川の川上って、みんな山であると。山から流れてきてる。山から流れてくるっていうのは日本独特なんですけど。 (中略) すると、その山の上っていうのは、日本の信仰では神様がいる場所であると。天孫降臨っていいますからね。山の上に神様降りてきたと。 だもんで、その山の上から流れてきた桃。そこに、中にいた子供は神の子であると、神から授けら…

「君が戦争を欲しないならば」

…きてしまえば大多数の人は協力せざるを得なくなるだろうという部分が特に印象的でした。 それから、戦後、日本の国民が自分たちで戦争責任を追及しなかったことが今につながる問題になっているというのは、小澤俊夫さんも全く同じ事を書いていたので…暗澹たる思いになりました。 「空気」とか「流れ」というワードの威力には私も驚くことがあります。実体がないような言葉なのに、表面上は説得力というか問答無用の圧力を持つのが不思議で。なるべく使わないように、使うにしてもよく考えないと……と思いました。

「きみはいい子」「世界の果てのこどもたち」

…「昔話へのご招待」で小澤先生と対談されて、作品の話題が出てきたので、そういえば…と手に取りました。 小澤先生が何度も言われたように、どちらも本当に素晴らしくて、引き込まれて一気に読んでしまいました。 具体的にどこが素晴らしいかうまく言葉が見つかりませんが、昔話と同じように、使っている言葉は平易で、読みやすく、映画を見ているように自然に物語の中に入れる感じがします。小説の内容は、社会の暗い面を描いていてシビアではありますが、語り口が淡々としていて、さりげなく「神様は扉を閉めると…

馬のお婿さん

…については、ラジオの小澤先生の解説によれば、日本人の信仰が時代と共に変わってきたことを示しているそうです。 つまり、大昔の日本人にとって動物は神様だったので(物語上)結婚OKだったけれども、その後仏教伝来で畜生になってしまったので結婚NGになってしまった、という変化が、上記の理不尽な展開に反映されているらしいのです。 中国にも日本と同じような展開の昔話があるということは、中国でも日本同様、信仰の変化があったと考えてよいのでしょうか? そうだとすれば、前から少し疑問に思っている…

かさじぞう

小澤俊夫さんの「昔話へのご招待」の、年末最後の回で、「かさじぞう」を久し振りに聴きました。 聞き手の中村律子さんも仰っていましたが、良いお話だなぁ…と、しみじみしてしまいました。 お正月くらいお米を食べたいと思って、家に残っていた資材で、菅笠を作って売りに行って…、でも、悲しいことに全く売れなかったので、雪で寒そうにしていたお地蔵さんに被せてあげて、1つ足りなかったのでお爺さんがかぶっていた笠もかぶせてあげたら、お地蔵さんが…、というお話。 自分を大切にする気持ち、人を大切に…

JG フレーザー「旧約聖書のフォークロア」

…伝説研究の第一人者、小澤俊夫さんのラジオ「昔話へのご招待」では、時々、日本の昔話と、世界の昔話の類似点について、とても興味深い解説があります。たとえば、鳥取の昔話と、中南米(マヤだったかな?)の昔話が似ているとか、グリム童話の「コルベスさん」と「猿蟹合戦」が似ているとか、こんな例は数えきれないほどあって、「桃太郎」すら、ヨーロッパの学者さんに話すとギリシアの「アルゴ・ナウト伝説」に似ている、と言われたそうです。 人間は、大昔から意外と長距離を移動している、と、小澤先生はいつも…

あぶらとり(1)

…かもしれない」という小澤先生のコメントが、印象的でした。私も聞いていて、他の昔話と少し雰囲気が違っていて、何だか海外ドラマみたいだなぁ…と、思ったからです。ふと思い出して、こちらのカタログを見てみました。国際昔話話型カタログ 分類と文献目録作者: ハンス=イェルク・ウター,小澤俊夫,加藤耕義出版社/メーカー: 小澤昔ばなし研究所発売日: 2016/08/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見るすると、「あぶらとり」のお話の中心となっている、(太った)男が脂を絞られる場…

「若い女はベッドの下に強盗がいるのを見つけたとき、どのように身を守ったか」

…=イェルク・ウター,小澤俊夫,加藤耕義出版社/メーカー: 小澤昔ばなし研究所発売日: 2016/08/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見るによれば、「若い女はベッドの下に強盗がいるのを見つけたとき、どのように身を守ったか」(話型956D) と集約される内容の昔話が、ヨーロッパ、中東、インド、アメリカ(スペイン系)、アフリカに分布しているそうです。 上の都市伝説?は、実は、何百年も前から知られていた、昔話の一種だったのかもしれません…。 元来伝播力があるので、日本で…

形式意志

…の話が出てきました。小澤先生によれば、もみの木も、人間も、「自分はこうなりたい」という「形」があるそうです。私はもう、「変化しない」年齢に近づきつつありますが…、 久々に、もみの木のお話をラジオで聴いて、今まで何度か同じ話を聴いているのですが、 改めて、自分がなりたかった形はどういうものだったのかな…と、心に残りました。 ところで、この回の放送では、「昔話は残酷と言われるが…」という、やはりお馴染みのテーマについても、年度が変わったので改めて解説がありました。 多くの大人がビ…

猿婿・へび婿の類話

…を去ります。ラジオの小澤先生によれば、特に「猿婿」のお話をヨーロッパですると、西洋の学者さんたちから、猿が殺されなければいけない理由が分からないと言われて、大変な論争になるそうです。 それに対する日本人の解釈は、「猿や蛇などの動物は、仏教が入って来る前は、日本人にとって神様だった。しかし、仏教が入ってきてからは神でなく畜生になってしまった。はじめ、父親が娘を猿と結婚させようとするのは、日本古来の信仰を反映していて、後に娘が猿を殺してしまうのは、仏教伝来後の信仰を表している。」…

ラジオ(podcast)「昔話へのご招待」のこと

…昔話や伝説の研究者、小澤俊夫先生を迎えて、素敵な昔話の世界へとリスナーの皆さんをご招待します。 聴き手・中村律子さんの導入から始まるこのラジオ番組は、毎週金曜日に4つのラジオ局(FM福岡、FM長崎、FM大分、FM仙台)で放送されています。開始は2009年です。私は初回からのリスナーではありませんが、podcastで過去分も聴くことができました♪ 便利な世の中になったものです。昔話といえば、子供の頃、寝る前に、よく本で読み聞かせてもらった記憶があります。でも本来は、本(=紙など…